四トロ同窓会三次会 2006年10月1日〜15日
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もう少し様子をみましょうや 投稿者:セクトNo7 投稿日:10月15日(日)23時29分11秒

希流さん
仰ることも一理なんですが、出口のない空さんへの書き込みは書記長の言うとおり、論理的に破綻してます。
んで、とりあえずは、この程度では以降の彼の対応次第と思います。
これから議論が始まるかどうかはかれ次第かな?
本格的なものはあるのかどうかは「さいは投げられた」今、書記長のかきこの問題はこれからのことだと思います。

で、おいら書記長(尻馬)の投稿内容は今現在、全面支持するものです。ただし今は、ですが

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下の書き込みを見て 投稿者:希流 投稿日:10月15日(日)18時59分34秒

まっぴょんさんの「テロ」規定、正直わかりにくいですね。私はこう考えます
という以上の論拠のようなものがかけているような気がします。
これだと、私はそう考えません、という人との溝は永遠に埋まらないような。
でも出口のない空さんの場合国家権力の行使する暴力については不問のようですね。
なんだかいかにもありがちなパターンのような気がしますが。

ところで三里塚闘争の場合でも、中核派や解放派による個人宅への放火などは
どうなるのか、ということもあると思いますが。
あれは三里塚闘争ではない、ということになると、結局それはセクト的な立場からの
主観的な議論だとしか思われません。

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出口のない空さんへ 投稿者:まっぴょん 投稿日:10月15日(日)14時13分59秒   編集済

●鉄パイプや火炎瓶はテロの手段か?

あなたが例示した「ウジ虫ども殲滅」とは、革マル派による中核派への内ゲバの事ですね。それは例えば深夜、相手の寝込みを襲い、徹底的に叩きのめし、相手を死に至らしめるか又は重傷を与える事によって相手に恐怖を与える事が目的であり、文字どおり「テロ」と言えます。しかし、三里塚闘争のような野戦において、そのように「とどめを刺す」まで殴り続ける事など到底できません。またその戦闘の目的は「警官個人の殺傷」ではなく、空港粉砕の目的に沿って、一定の地域の主導権を獲得する闘いなのです。こうした戦闘目的は戦争一般においては通常見られるものですが、あなたの「テロ」規定を採用するなら、あらゆる戦争は全て「テロ」という事になります。私は戦争には反対ですが「戦争」と「テロ」とは別であると認識しています。

●目的が手段を制する(マキアベリ)

つまり、以上に見られるように、「内ゲバ」という、個人の殺傷と恐怖を与える目的のために使用される場合には、鉄パイプであろうとバットであろうとクギであろうとツマヨウジであろうと「テロの手段」になり得ますが、空港粉砕の目的を持って、敵と対峙し繰り広げられた野戦においては、鉄パイプや火炎瓶は、敵と比較して遙かに劣った「最低限の抵抗の武器」でしかないのです。総括すれば、武器というものは目的や使い方によってその規定が違うという事であり、従って、何をもって「テロ」と規定するかは「武器によって」ではなく、その武器を使う「目的によって」なのであるという事です。

※中核派が第四インターを内ゲバ襲撃した時、錆びクギを何カ所も足に突き刺し、そのため被害者は腐った片足を切断しなくてはならなくなりました。つまりクギ1本でも充分に「テロの手段」になるのです。

●我々の武器と警察の武器の比較

そもそも機動隊は初めから万全の武装を整えており、戦闘態勢にあります。両者が「戦闘状態にある」と互いに認識しあっている状況での鉄パイプや火炎瓶は、単に他の武器と比較して効果を論じる事しかできません。警察が持つ硬質プラスチック弾(殺傷力は証明されている)、催涙弾(薬害後遺症、失明の危険あり)、高圧放水銃(人体を吹き飛ばし殺傷する威力があり、また催涙弾の毒液も混入されている)などと比較すれば、ビンやパイプなど遙かに威力の小さな武器です。遠距離では、手投げの火炎瓶や投石では警察の武器に比較して飛距離では格段の開きがあります。接近戦における鉄パイプは警察の警棒・楯とほぼ互角ですが、防護のレベルが格段にちがい、ヘルメットや防護服の上からどんなに叩いてもそれほどの効果はありません。

●彼我の評価のダブルスタンダード

その程度の武器をさえ「テロの手段」というあなたはなぜ、それよりもはるかに危険な警察の武器を「テロの手段」と規定しないのでしょうか? なぜなら、「実はあなたも」テロを「手段によって」ではなく「目的によって」規定しているからなのではありませんか? つまり、あなたによれば「警察の行為はテロではあり得ない」と考えているからなのではありませんか? そうすると、こういう事になります。「過激派が使う鉄パイプや火炎瓶はテロの手段と規定されるから、かれらの行為はテロである」が、一方「警察の行為は目的がテロとは規定されないのでテロではない」と。一方は「手段」によって「テロ」規定し、他方は「目的」によって「テロではない」と規定する。都合のよいダブルスタンダードではありませんか?

●新山さんの死について

> どうしてこの方は火だるまになってしまったのでしょうか?
> その時、仲間の方々は何をしていたのでしょうか?

新山さんは第九ゲートから突入するトラックの荷台にガソリン入りドラム缶と共に乗っていましたが、突入した時、このドラム缶が発火炎上したものと聞いております。その原因は不明です。火炎放射器などを警察が使うはずがありませんが、他の戦闘地域では銃撃が確認されているので、その可能性もあります。なお、第九ゲート突入組は全員逮捕されたのではないかと思いますが、そうではなかったとしても「仲間を見殺し、見捨てて敗走」などと言うのは、その現場にいなかったから言える無責任な揶揄でしかありません。3・26戦闘の時には、投入された突入部隊のほぼ半数が逮捕されました。彼ら全員が逮捕後に凄まじいテロ・リンチを受けており、これは警察官の職務を逸脱する不法行為です。

●3・26戦闘と東峰十字路事件

私が3・26闘争について説明したあと、それとは全く別の事件を持ってきて「しかし、東峰十字路では、3人の警察官が殺されました」と返すのは、論理的反論にはなっていません。印象操作によって三里塚闘争全体を貶めるためのいわゆる「ディベート」にすぎません。また東峰十字路事件についてはすでに説明したとおりですが、あなたはそれにまったく反論する事もなく「テロ」規定を繰り返しているだけですね。つまり「議論」を拒否してただ自分の意見を繰り返しているだけなのです。議論に応じる気もなく、ただ持論を繰り返すだけなら、それは「荒らし」と変わらないのではないでしょうか。討論を挑んだならば、ちゃんと相手の反論に正面から応えるという責任が伴うのではないでしょうか。

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RE.テロ&実力闘争&戦争=目的実現の為の手段 投稿者:セクトNo7 投稿日:10月15日(日)11時39分36秒   編集済

質問に答える前に
三里塚の闘いの歴史をもう少し勉強してください。単に過程を無視して現象面だけをなぞっても、本質的なものは見えては来ないし、議論も不毛に終わるだけです。共産党の「暴力反対」のお題目で全ての抵抗権すら否定する無抵抗主義が、かなりの大衆運動で相手にされないようにね。
なぜ、実力で抵抗せざるを得なかったのか、その原因は誰の責任なのか、やっぱそのことが討論の前提だと思います。

さて、私のHNの由来ですが
結論は「単なるハッタリ」です。突然に会った方から「セクトNO7さん?」と呼びかけられると自分でもびっくりしてます。(大笑い
たいして意味はありませんが、しいて言えば
http://8717.teacup.com/onibara2/bbs
こちらの掲示板のどこかにヒントがあります。ご自分で探してみてください。

ただし、あっちの掲示板の席帝さんは左翼系掲示板における巨匠にあたりますから、(不勉強の)失礼のないようにしてくださいよ。まっぺんさんとはいま少し違いますので。オチョクリの特権は私の専権事項ですが。(w

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それも困りものなのですけれど… 投稿者:イレギュラーず 投稿日:10月14日(土)21時39分11秒

>まぁそれが商品であれば、市場性という点では、広がって良いのでしょう

市場で流通するものしか、「価値がないと見なされる」というのも困るものでしょうね。もし、価値があっても、それはボランティアが担うもの?それ自身「市場性」がほころびている?

レーニンも「国家と革命」で、ボランティアとは言わなかったけれど、何かそのようなことをいっていたような気がする…

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テロ&実力闘争&戦争=目的実現の為の手段 投稿者:出口のない空 投稿日:10月14日(土)20時53分30秒

まっぴょん様
 丁寧かつ、長い文面でのご説明、ありがとうございます。
 いくつか理解しかねる点がありますので、教えていただければ幸いです。

>テロとは、相手に「恐怖」を与えて、相手の行為を中止させる事です。
>最も効果的なのは「死の恐怖」であるわけで(略)
 なるほど、「死の恐怖」はテロでは大切なわけですね。

>鉄パイプや火炎瓶なども使った
 これって、「死の恐怖」、与えてませんか?
 相手が、高度な武器を持っているからと言って、鉄パイプや火炎瓶の殺傷能力が下がることはないと思います。
 その昔、鉄パイプや角材を振り回して多数の死傷者がでて、「ウジ虫どもを殲滅した!」とのビラが撒かれた時代と較べると、盾やヘルメットで守っているから違うとは思うものの、「死の恐怖」は無いとは言い切れないと思います。

>全身火だるまとなったまま足で何度も踏みつけられ放置されていた新山さん
とのこと。
 どうしてこの方は火だるまになってしまったのでしょうか?
 火炎放射器にでも狙い撃ちにされたのでしょうか?
 その時、仲間の方々は何をしていたのでしょうか?

 思わず「仲間を見殺し、見捨てて敗走」とのフレーズが浮かんできました。

>実際、あの時には管制塔戦士と三里塚農民に全国からたくさんの感動と支持の声が届けられました。
 これって、「小泉さんの支持率が高い、安倍さんの支持率が高い」と言うのと変わらないのでは?
 簡単に言えば、支持されているから正しいわけではない・・・・・・・。

>そもそも、計画策定・発表の過程からして杜撰であったために問題がこじれ
 そうですね。
 聞きかじった知識では、御料牧場があるから、それだけの理由で選定されてしまったみたいですから・・・・・。
 農家の方々がどんな思いで開拓してきたのか、作物が穫れるように土づくりをしてきたのか、そのことを考えると、辛いものを感じます。

 最後に、
>3・26管制塔占拠の時にも管制塔戦士たちには決して人質を取ったり人命を危うくするような事はしないように厳命が下されていました。

 しかし、東峰十字路では、3人の警察官が殺されました。
 3人の警察官を殺した人殺しはor人殺し達は今、どこで何をしているのでしょうね。
 まさか、この日本のどこかで何食わぬ顔をして「平和」を守れ!などと叫んでいるのなら、とっても素敵なブラックジョークですね。

 でもまぁ、一番のブラックは、
>しかし、テロでは本来の目的を遂げる事はできません。
 確かに、私はつい最近、成田空港を利用してきました。

セクトNo7様
>当人にしか価値がわからないもの
であっても、遍く広がりが出てくれば、それが普遍的な価値となってしまうのも、困りものです。
 まぁそれが商品であれば、市場性という点では、広がって良いのでしょうが・・・・・・・。

 私も「病気」かも?
閑話休題
 ところで、セクトNo7様のハンドルネームの由来、教えていただけませんか?
 こちらの「4トロ」と同様、なんかあるのでしょうか?

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レスありがとうございます(皮肉でなく) 投稿者:アラブ復興車界党 投稿日:10月14日(土)11時59分0秒

>何らかの「書かなければいけない」内的なものがあるのだと・・・。

 的確な洞察と思います。 なぜならば、ここではないですが私がそうなので・・・。(快感ではないですが)

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そのとおりです。ごめんなさいm(__)m 投稿者:まっぴょん@尻馬 投稿日:10月14日(土)11時26分34秒   編集済

でも、いずみさんから糾弾の声があっても
猶そのまま黙ってるのはもっといやだと思ったので。

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やれやれ、トンでも話題に(苦笑 投稿者:セクトNo7 投稿日:10月14日(土)10時28分32秒   編集済

>「サナトリウム行き」を勧告されるのはごめんですな。

これって昔、宣告されたのは私でしたよ。誰にって?いろんな「党派」にとだけ言っときます。それから昔から言ってますが、私はレーニンもトロツキーも嫌いです。念のために。

病気について
別にKYが精神病だとかと言ってるわけではない。そして、彼がみんなが(私も)書いているような「とことんのアホ」だとは思っていない。おそらく彼は意図的に書き込むことに何らかの意義(快感)を感じているのだろう。その中身については詮索する気もないが。何らかの「書かなければいけない」内的なものがあるのだと思う。そうじゃなけりゃ、これほど嫌われているのに投稿を続けるわけがないと思う。
たぶん投稿することによってある種の自己満足を得ているように思っている。

私たち鮎釣りをやる人間は変な人間が多い。毎日同じ場所に通うやつ、やたら仕掛けだけにこるやつ、首まで川につかって泳ぎながら釣るやつ、千差万別である。これは当人にしかわからないのだが、私たちはこのことを「病気」と表現してほっぽっとく。当人にしか価値がわからないものを、いちいち相手にするほど暇じゃない。

ま、そんな意味で使ってますので、どう感じるかは各々ご自由にと思います。KYは病院送りだとか主張しているわけではありません。念のために
で、後はスルーさせていただきます。

>セクトNo7さんが書いたの読んだ時「まずいなぁ〜」と思ったんだよねー。

と思ったら、その時書くべきだと思うんですけれど、後から尻馬にのって書いているようで「なんだかな〜」と思う。

おまけ

おそらく誰かさんたちにもメールが行ってると思うけれど、

第七章 パチンコ依存症は治せるか189
    ――人も家族も壊れる依存症は病気
    対策が急がれるパチンコ依存症190
    パチンコ依存症の特徴192
    ギャンブル依存症の診断196
    パチンコ依存は病気だ199

http://www.alpha-net.ne.jp/users2/shakai/top/71-9.htm

関係ないけれど丁度メールが来たところで紹介しときます。私は早速注文しましたよ。約束どおり
書籍検索:紹介
トランスジェンダリズム宣言
―性別の自己決定権と多様な性の肯定
  米沢泉美/編著
出版元: 社会批評社
A5判 278頁 並製
2200円+税
ISBN4-916117-55-7 C0036

と一緒にね。ホント注文の後にこの話題なんだから、タイムリーなんだかミスマッチなんだか?こうなったら笑うしかないな。

でも、KYの投稿もパチンコ依存症もどっかにて似ているものを感じるな。
「じゃ、お前の投稿は?」お後がよろしいようで。

[追記]
最近メールがすごい。管制塔基金の時も毎日結構あったけれど、ここ数日は200通近いメールが届く。しかも、どうしようもないメールばっか。P−2の能力じゃ一回に受信することも出来やしない。おまけにトラブルが多いし。ウィルスチェックは異常がないけれど状態は異常だらけ。またフォーマットしてスルーどころかお手上げかもしれません。でわ

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レーニン・トロツキーの意に沿わないからと言って 投稿者:アラブ復興車界党 投稿日:10月13日(金)19時14分36秒

「サナトリウム行き」を勧告されるのはごめんですな。

 ※ かつてチチェリンが「米国世論に配慮するため」ソビエト憲法に「民主主義的」変更を加えようとしたとき、レーニンは「彼をサナトリウムに送るよう」公式書簡で勧告した。
 トロツキーは後年の著書でそれに熱烈な賛意を示すと同時に「同種の提案をする者を精神病院送りにするようにレーニンは提案したであろうし、政治局の中でも反対は出なかったであろう。」とまで言明している。

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病気あつかいはマズイと思う 投稿者:まっぴょん 投稿日:10月13日(金)09時59分35秒

自由に生きる事のできる世界を希求するためには思想・信条の自由の保証は絶対です。
その自由な権利を行使して様々な意見がぶつかり合うのは当然。
また、相手の意見を明らかに珍奇なものと思うのも自由です。
しかし、「病気」あつかいは、危険な「共同意識」を生み出す恐れがあります。
ナチス時代のドイツでは、ユダヤ人ばかりでなく、ロマや精神病患者までも迫害されました。
迫害対象はさらに拡大され、共産主義者までが「精神病」と拡大解釈されました。

世の中、いろんな人がいます。自分は相手を理解できない、というのはいいと思う。
理解する必要が無い場合もある。しかし「自分と違った種類の人間」を「病気」あつかいするのは、
他ならぬ自分自身の「自由を求める」信条を裏切るものではないでしょうか。

セクトNo7さんが書いたの読んだ時「まずいなぁ〜」と思ったんだよねー。

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話題を引きずっているのでは全くありません 投稿者:よねざわいずみ 投稿日:10月13日(金)01時53分24秒

春にもなにやらありましたけど、単に「よねざわいずみ自身のあり方に直接関わる思考の枠組み」が現れたことに対して当人が異議申し立てをしている、という構造です。KYがどうのこうのとはまったく関係ありません。
希流さんにはその構造がやはり見えてらっしゃらないのでしょうか。。。

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投稿者:希流 投稿日:10月13日(金)01時43分29秒

こういう話題をいちいち引きずることもどうかと思いますけどね。
もともと書き込みの内容からすれば放置しておけばよいものだと思うのですが。
KY氏当人も真摯になって書き込んでいる気配はうかがわれないし。

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またこんなこと書いてる人がいるよ。。。 投稿者:よねざわいずみ 投稿日:10月12日(木)12時50分37秒

>しょうもない疑問は持つだけ無駄ですよ。病気だと思えば納得するでしょう。

病気というのはきわめて政治的な価値基準です。(ウィキペディアにすら詳細に書かれています)
それをアプリオリに他者に対して「そう思えばよい」というのはいかがなものでしょうか???

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三里塚闘争はテロではありません 投稿者:まっぴょん 投稿日:10月11日(水)17時50分6秒   編集済

テロとは、相手に「恐怖」を与えて、相手の行為を中止させる事です。最も効果的なのは「死の恐怖」であるわけで、そのため往々にして殺人が目的となっています。しかし、テロでは本来の目的を遂げる事はできません。9・11直後に報復を宣言したブッシュに圧倒的な支持が集まったように、むしろテロリストへの憎悪によって、逆効果を生むことさえあります。

成田空港への開港阻止闘争→廃港運動に至る闘争の歴史を「テロ」規定するべきではないと思います。警察機動隊に対して鉄パイプや火炎瓶なども使った実力闘争でしたが、それは「テロ」」とは違います。機動隊の持つ高性能のガス銃、高圧放水車、硬質プラスチック弾などに比較すれば、反対派の武器は極めて不利なものでした。我々の武装は、理不尽な警察の暴力に対する必要最低限の抵抗の武器にすぎません。またどんな党派であっても、警察官の殺害を目的とした行動など一度も起こしておりません。3・26管制塔占拠の時にも管制塔戦士たちには決して人質を取ったり人命を危うくするような事はしないように厳命が下されていました。

実力闘争とテロとは全く概念がちがいます。警官と暴力的に衝突したり、実力によって権力の横暴を阻止するだけで「テロ」と呼ぶなら、三池闘争や国会を包囲・占拠した安保闘争、村雨橋前で戦車を止めた市民の行動もみな「テロ」という事になってしまいます。民主主義の概念から考えても、農民を虫けらの如く排除した政府の強引な空港建設を考えても、警察の行為こそ「国家権力によるテロ」と言わねばなりません。管制塔占拠は、「勝手に人の土地に空港を建てたので排除した」農民の行為であるに過ぎません。それのどこが「テロ」なのでしょうか? 実際、あの時には管制塔戦士と三里塚農民に全国からたくさんの感動と支持の声が届けられました。

次に「双方に死者が出た」ことについて。三里塚闘争40年の歴史の中で、多くの支援者達が傷つきました。権力は逮捕者に対しても凄まじいテロ・暴行をおこなったことがたくさんの例で明らかとなっています。また命を落とした青年もいます。これらの犠牲者の中には近距離から頭に向けてプラスチック弾の直撃を受けて亡くなった東山さんや、全身火だるまとなったまま足で何度も踏みつけられ放置されていた新山さん、権力の壁の前に挫折し自殺した三宮さんなど、明らかに権力による犠牲となった人々がいます。

では権力の側の死者はどうなのでしょうか。権力の側の犠牲者として取り上げられる東峰十字路の三人の警官は「テロ」のために死んだのでしょうか? それは断言できません。まず当時の状況が皆目わからず、「犯人」は特定はできていないのです(でっち上げ逮捕はありましたが)。したがって、意図的な警官襲撃だったのか、それとも両者の偶然の遭遇によって起こった不幸な結果だったのか断定できないのです。結果として三人の警官が亡くなったのは不幸な事ですが、それを一方的に「反対派のテロによるもの」と決めつけるのには納得がいきません。

東峰十字路というのは、駒井野と東峰部落とを結ぶ道路の途中にある十字路です。第二次決戦の前日までに多くの支援者が駒井野砦の建設に従事したあと、翌日の決戦に備えて東峰部落周辺に宿泊しておりました。したがって決戦当日は当然、東峰部落周辺からその道を通って大挙して駒井野に向かう事が予想されるもので、警備当局はここを遮断するべく途中の東峰十字路に検問のために警官を配置したわけです。しかしこれは余りにも無謀な配置といわねばなりません。何十人、何百人もの反対闘争支援者が勇んで進撃してくるであろう道路の途中に配置したのが僅か三人だけとは。それならむしろ警官の安全のためにも無人状態にしておくべきでした。

支援側はそこを突破しなければ駒井野へ行けません。したがって数十人(何百人?)対3人の闘いがそこでおこなわれたのではないでしょうか。警備当局は、なぜこんな少人数の配置にしたのでしょうか? まさかその三人を初めから犠牲にしようなどとは思っていなかったでしょうが、これは明らかに警察側の失態です。或いは警察は、反対派を過小評価していたのでしょうか。敵を過小評価すれば味方に損害が出るのは戦闘の常識。警備側上層部の傲慢さによる無謀な配置が三人の犠牲者を生み出したのだと言えます。

なお、付け加えておけば、そもそも、計画策定・発表の過程からして杜撰であったために問題がこじれ、ここまで闘争が深刻化し長引いてしまったのです。それにもかかわらず、敵だろうが味方だろうが、どんな犠牲を賭しても、空港を造ろうと無理押ししていった政府の姿勢が、これらの多くの犠牲者を生み出したのだと言えます。三名の警察官もそうした政府の無理押し政策の犠牲者です。そうした過程を無視して、実力闘争を理由として反対運動をテロリスト呼ばわりするのは断じて認められません。

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テロがあればこそ、安全な空は開けた 投稿者:出口のない空 投稿日:10月10日(火)23時20分17秒

北朝鮮、核実験、しちゃいましたね。

 中国も、もう持て余し気味のような・・・でもまぁ、そのように振る舞っておけば、アメリカも中国一国に責任を押しつけられなくなると言う、利点もあるようで・・・・・・・・。

 唯物論と聞くと、なぜかしらDNAを思い出してしまいます。
 どーでもいいことですが、植物と言う名の生き物も、動物という名の生き物も、その遺伝情報はDNA(デオキシリボ核酸)が司っているわけで、その配列と、数が異なるだけで、地球上の生命は成り立っている。

 そんな仕組みを作ってしまった自然って、凄いなぁ〜って改めて思ってしまいます。

 唯物論こそが、唯一この世で正しい論であると信じる唯心論と言うのもあったりして・・・・・。

閑話休題
 さて、今回渡米して聞いたのですが、成田の管制塔、テロで壊されたおかげで、開港時には新しい機材が導入されたとか・・・・。
 テロで壊されなかったら、テロ以前の開港予定の時点でもう古くさい機材になっていたとか・・・・。
 日本の官僚、恐るべし、と言うか、ちゃっかりしていると言うか・・・・・。

セクトNo7様
 過日は丁寧な返信をありがとうございました。
 「平和」と一言で言っても、そこには様々な形があるように思います。
 イラクのフセイン政権下での、秘密警察による取り締まりがあってもなお、日々の生活の一部か制限されるだけで、その制限を何とも思わなければ「平和」な日々がそこにはあるわけで、刹那的なその一瞬一瞬をどう感じるか・・・・そのような感じ方のもと、「武器があるから平和ではない」という方々にはどうも違和感を感じてしまいます。

 「戦争は良くないけど、テロは良い」
 このような考え方には、なんか腑に落ちない物を感じています。
 三里塚では双方に死者が出ていますよね。
 成田を利用する度に、違和感を感じてしまいます。
 テロを肯定するのなら、戦争も肯定すべきではないのか・・・・と。
 まぁ、何を以て「戦争」と言い、「テロ」と言うのかというのもありますが・・・・・。

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お答えしましょう、茶畑同志 投稿者:セクトNo7 投稿日:10月10日(火)22時32分43秒

彼は病気なのです。自己の固定化された想像の左翼に対し、ひたすら捏造のイメージを肥大化させているのです。
敵の中心軸たる有名な四トロ版に書き込むことで、左翼の中心軸に楔を打ち込んだと盲信しているのです。まさに、この板は全左翼の中心軸として認知されているのです。

以上、2チャンネルと黒田理論に武装された謀略論でした。
しょうもない疑問は持つだけ無駄ですよ。病気だと思えば納得するでしょう。

でも、レスしたおいらは削除人さんに怒られたのに〜

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KYさんて 投稿者:茶畑進 投稿日:10月10日(火)19時06分30秒

何が楽しくて殴り書きするんだろう?

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唯物論論議はともかくとして 投稿者:まっぴょん 投稿日:10月 9日(月)17時55分0秒

KY氏のカキコは内容的に見てもただの落書きであり「荒らし」と断定してよい。
したがって、削除人の皆さまには、もちろん無言で削除するのもぜんぜん構いませんので。
ただ、たまに気が向いた時に下記のように適度に遊んであげるのもちっとも構いません。

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唯物論と唯物史観 投稿者:伊達 純@携帯電話 投稿日:10月 9日(月)09時43分29秒

私の場合、現在、携帯電話からアクセスしているので、書き込みの際、記憶違いで唯物史観→唯物論となってしまいました。なお2番目の書き込みは、唯物史観に直しています。

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ヘーゲル哲学についてのレーニンのメモ 投稿者:ぴよ丸号 投稿日:10月 9日(月)09時32分47秒

お久しぶりです。KYさんは削除のみが妥当と思いますが、ちょっと面白い流れになって
いるので、『哲学ノート』より引用したいと思います。(国民文庫上巻、p247)
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ヘーゲルは、唯物論は哲学として不可能である、なぜなら、哲学は思惟にかんする科学、
普遍的なものにかんする科学であり、そして普遍的なものは思想であるからと、
本気で“信じ”、考えていた。ここでヘーゲルは、彼がつねに“悪しき”観念論と呼んで
いたところの、あの主観的観念論そのものの誤りをくりかえしている。客観的観念論
(さらにいっそう絶対的観念論)は、まがりくねった道をとおって(そしてとんぼ返り
をうって)ぴったりと唯物論に近づき、部分的には唯物論に転化しさえした。

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情況に対して彼なりに誠実に、しかし残酷に振舞ったレーニンは「主観的能動主義」と
いう、ある種のマルクス主義者からは「観念論」に従ったとも見える立場を取っています。
私は、レーニンの「観念論」は彼なりの唯物論の帰結であり、その唯物論は極限まで
唯物論を推し進めたがゆえ、であると思います。すなわち、ヘーゲルと逆のコースです。

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違和感を感じたのは 投稿者:よねざわいずみ 投稿日:10月 8日(日)22時29分17秒

いくらKYがアフォなことを書いていたとしても、それへの批判の立て方がかなり論理的におかしいのでは、と感じたことでした。

↓のようなまっぴょんさんの言明は誠実なものだともちろん理解できますが、KYが「唯物史観」についてわめいたことに対して「唯物論vs唯心論」という枠組みから対論的表明を返すのはよろしくないのでは、と僭越ながら感じた次第です。

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唯物史観は 投稿者:まっぴょん 投稿日:10月 8日(日)22時05分3秒

生産力と生産関係の矛盾による社会の発展を説明するものですが、その基礎には唯物論があります。

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すみませんが唯物論と唯物史観はかなり位相が別なのでは? 投稿者:よねざわいずみ 投稿日:10月 8日(日)21時50分53秒   編集済

学生時代の黒ヘル同志諸君らの中には「唯物論は肯定するけど唯物史観は否定する」っていう人がいましたよ。

#ただし、唯心論の人もいたような。それが黒ヘルか。。

##っていうか、そもそも唯心論と唯物論を二元的に言うのって西洋思想なのでは、とかも思うのです。ここはそういう掲示板なのでそういう立て方でもよいと思いますけど。

###いずれにせよ、KYのような自分の近傍のことしか認識できない人間には、「マルクスを否定するけど過激派」とか「仏教徒だけど過激派」なんて人間が日本にもちゃんといる、というあたりまえの事実すら理解不能なのでしょうね。。。

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Re:唯物史観 投稿者:伊達 純@携帯電話 投稿日:10月 8日(日)19時00分35秒

そうでっか、現人神はんを信じてまんのか。唯物史観もええ加減古おますけど、現人神はんは、ほんらい素粒子かクォークに分解してしまうくらいのもんでっしゃろ? いわば亡霊や。それを一部の亡者どもが無理して存在させとんのが実態とちゃいまんのか? 唯物史観を古い言うて否定するんなら、現人神はんも否定せなあきまへんな(以上、極めて怪しい関西弁)。

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青木雄二風に言えば 投稿者:アラブ復興車界党 投稿日:10月 8日(日)16時26分15秒   編集済

○ 唯心論
 お米の収穫を増やしてほしい。
  ↓
 「神様、どうぞ今年の収穫を増やしてください。」

○ 唯物論
 お米の収穫を増やしてほしい。
  ↓
 肥料か農薬増やそうか? 草取りもう1回やろうか?

 ※ 唯心論の行動を否定しようとは思わないが、生産活動への直接的効果は期待できないと思う。

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唯心論と唯物論 投稿者:まっぴょん 投稿日:10月 8日(日)15時51分56秒   編集済

●唯物論
古代ギリシャ自然哲学、及びルネサンス期の合理的精神の中に見られますね。
マルクスはこうした理論的背景に基づいて唯物史観を組み立てたわけです。
それはたった百数十年前に過ぎない。

●唯心論
唯物史観を否定するKYさんは当然、これと対立する唯心論の立場に立っている事と思います。
唯心論の歴史は「宗教の歴史」とほぼ同じと言っていいでしょう。
人類史の数千年は唯心論の歴史でもあった。「化石」より何十倍も古いねー。(^◇^)

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Re:唯物論 投稿者:伊達 純@携帯電話 投稿日:10月 8日(日)14時30分41秒

あなたわぁ、かみを〜しんじますかぁ〜?(宣教師風に)

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唯物史観 投稿者:KY 投稿日:10月 8日(日)00時53分20秒

まだこんな化石にしがみついている人がいるんですか(笑)?

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映画「六ヶ所村ラプソディー」 投稿者:アラブ復興車界党 投稿日:10月 7日(土)17時16分29秒

せっかく東京で劇場公開するのに券が売れなくて困っているそうです。 このお休みのご予定未定の方はぜひ足を運んでやってください。
http://www.rokkasho-rhapsody.com/index2

http://www.iwaishima.jp/home/idobata1c/idobata1b.cgi

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2ちゃんねるは何故麻生支持? 投稿者:パルタ 投稿日:10月 5日(木)12時16分7秒

日本の権力はアメリカ・コリア・チャイナの三大ロビーで成り立っていたと思う。少数派にロシア・台湾ロビーがある。チャイナロビーの橋本派が小泉の手で倒された。
ここで注意せねばならないのは、統一教会が朝鮮スターリニストと日韓のポナパルティストを両方支援しているということである。「韓国人は出て行け」「お前在日だろう?」というようなことを言う人間が、文鮮明と二人三脚で反共政策を推進した朴正ヒだけは評価することが多いのは何故か?ネット右翼ほど案外日韓人脈に近い集団はないのではないか?
ネット右翼、特に2ちゃんねるは異様に韓国と統一教会に詳しい連中が多い。しかし、そのスタンスは反統一教会である。森派は統一教会に近い連中であるようだ。安部を倒して、麻生が政権を取ることでコリアロビーを一掃して、権力が一本化できる。これが2ちゃんねるの狙いではないか?小泉政権以後は特に権力が集中しており、アメリカ・台湾以外とつながりのある人脈が次々に倒されていっているように思う。

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私の歴史観 投稿者:パルタ 投稿日:10月 4日(水)21時29分33秒

私は唯物史観、陰謀史観、リベラル保守史観の3つから影響を受けました。その3つの史観の感想を述べたいと思います。
1.唯物史観・・近・現代史に強い。ものの見方のバックボーンになるものを与えてくれました。抽象的な思考を鍛えるもの。

2.リベラル保守史観・・古代史から現代史までに強い。日本の統治については、あまり悪いことを書かない欠点はあるが、保守派であっても反欧米でないことには陰謀史観論者より好感がもてる。欧米はいくら賛美しても、それ以上の大悪行をしており、いくら弁護してもし切れない。しかし、それをただ非難するだけなら、全くの排外主義になる。この史観の持ち主は西洋に見方を悪一辺倒として見るのではなく、各国の個別詳細を丁寧に記述している。政治的立場を踏まえた上でなら、良い方だと思います。

3.陰謀史観・・ある意味スカのカスみたいな史観です。下手をすると、これまでの獲得物を「社会主義はフリーメーソンの陰謀」として戦前、江戸時代の無権利状態に戻しかねない史観です。なんでもかんでもバチカン・ユダヤ・キリスト教・メーソン・アメリカ・白人の仕業にして排外的な方に持っていき、偏狭な精神をもたらすだけで何の解決ももたらさない可能性も持っています。特にこの史観の持ち主は古代史から近世史に関する知識がらすくて雑な人間が多いように思います。たとえば「一神教はバビロニア以来の悪魔思想」と言った人は、本当にバビロニアと新バビロニアの区別がついているのかという不信。大航海時代の描き方もリベラル保守に比べて極めて粗雑でいい加減。宗教や秘密結社の話ばっかりで、肝心の囲い込み運動や産業の発展と変化の記述が一つもない。そもそもいかにユダヤ人が優秀な民族であっても、著名なユダヤ人は皆欧米生まれだし、ユダヤ思想だけあっても、近代欧米の基盤がない地域では有名な人はあまりいない。欠陥だらけの史観ですが、18世紀までの描き方が非常に雑なのに対して、19世紀20世紀になってくると、記述が詳細になり、権力内部の相関関係の描き方が面白いものになってくるように思います。陰謀論は一部の優秀な人を除いて大半が18世紀以前は想像で適当に書いているように見えるが、現代史になってくると政界の裏情報が入ってきて無視できなくなってくる史観です。アウシュビッツの死者数などは議論があるでしょうが、陰謀論はシオニズム成立以後が記述が丁寧で裏づけをよく取り、内容が豊富ですね。

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ふーむ 投稿者:パルタ 投稿日:10月 4日(水)20時58分42秒

まことさん>ローマ帝国が「横暴」に覇権を振るっていたというのは史実だと思います。ただ、ローマは「帝国」の覇権に従った地域には自治を認め、かつ「平和」を保証しました。いわゆる「パクス・ロマーナ」ですね。
>米国のブッシュ政権などはイラクのサダム・フセイン政権が人権を蹂躙する独裁政権(*その指摘自体は事実ですが)だとした上で、イラクに(欧米型)民主主義が齎さればイラク民衆は豊かで平和な生活が保証されると主張し、そうした文脈の中でイラク戦争を正当化します。
>しかしながら、そもそも今の米国に「帝国」の覇権が及ぶ地域に「民生の安定と平和」を保証するだけの力と知恵があるのかどうか?と私は思うのです。例えば、エマニュアル・トッドのような人は「そんな力量は無い!」と指摘します(*「帝国以後」〜詳しくは↓の書評を)。

確かにないでしょうね。というより、第三世界の人々の近代化の足をアメリカが引っ張るようなことをしたのもアメリカです。世界の「民生の安定と平和」を作り出そうとする人々と協力し合う以外にアメリカが生きる道はないと思います。

>かような路線はカルタゴのように「帝国」の覇権や周辺諸国からの侵略に対抗するための「自主防衛」というよりは、むしろ日本の自衛隊「戦力」を「帝国」の国際軍事戦略の一部に組み込むためのものでしょう。また、私は日本の「軍拡」が「季節外れ」だとも思いません。今の日本の軍事政策はポスト冷戦を見据えたアメリカ「帝国」の国際戦略と軌を一にしたものであり、少なくとも米日のエスタブリッシュメントは「季節に見合ったもの」と考えているのではないでしょうか。
>また、戦後日本は断じて「非武装」ではありません。
>また、米国は吉田茂内閣に朝鮮半島への警察予備隊の派兵を求めていた事実もあります。

そうですね。ただ安保強化は世界戦略の一貫と言っても、余程のタカ派でない限りはアメリカの高官も後方支援以外の役割を日本に期待しているとは思いません。といっても、米軍基地反対運動でダイバーの酸素ボンベが切られたという情報があり、あまり楽観視しすぎるのもどうかと思います。

>私は現代日本のアナロジーとしてカルタゴを引き合いに出すのは少し違うのでは無いかと思うのです。むしろ、今の日本のエスタブリッシュメントは自らの「ローマ市民」化を志向しているのでは無いでしょうか。

ローマつまりナンバーワンの覇権国家になりたいけどなれないから、その悔しさが大東亜戦争賛美と日韓・日中対立激化の主要な原因の一つになっているのかも知れません。日本には本音では対米自立したくてたまらないが、それでは効果的な覇権確立ができないジレンマがあるのでしょう。やっぱりどこの国の指導者でも自国が一番だと思いたいし、自国の権益が第一なんだろうけど、日本はアメリカとの共通利益が別格に強いのだろう。

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アメリカ「帝国」とイラク、日本 投稿者:まこと 投稿日:10月 4日(水)07時54分57秒   編集済

ローマ帝国が「横暴」に覇権を振るっていたというのは史実だと思います。ただ、ローマは「帝国」の覇権に従った地域には自治を認め、かつ「平和」を保証しました。いわゆる「パクス・ロマーナ」ですね。

米国のブッシュ政権などはイラクのサダム・フセイン政権が人権を蹂躙する独裁政権(*その指摘自体は事実ですが)だとした上で、イラクに(欧米型)民主主義が齎さればイラク民衆は豊かで平和な生活が保証されると主張し、そうした文脈の中でイラク戦争を正当化します。

しかしながら、そもそも今の米国に「帝国」の覇権が及ぶ地域に「民生の安定と平和」を保証するだけの力と知恵があるのかどうか?と私は思うのです。例えば、エマニュアル・トッドのような人は「そんな力量は無い!」と指摘します(*「帝国以後」〜詳しくは↓の書評を)。

http://www.asyura2.com/0304/dispute10/msg/288.html

ところで、日本の軍事強化路線について。

かような路線はカルタゴのように「帝国」の覇権や周辺諸国からの侵略に対抗するための「自主防衛」というよりは、むしろ日本の自衛隊「戦力」を「帝国」の国際軍事戦略の一部に組み込むためのものでしょう。また、私は日本の「軍拡」が「季節外れ」だとも思いません。今の日本の軍事政策はポスト冷戦を見据えたアメリカ「帝国」の国際戦略と軌を一にしたものであり、少なくとも米日のエスタブリッシュメントは「季節に見合ったもの」と考えているのではないでしょうか。

また、戦後日本は断じて「非武装」ではありません。
確かに日本の自衛隊は海外に武力攻撃を行うための「出兵」は行っていません(*注)。しかしそれは、「帝国」の傘下たる日本の自衛隊をわざわざ海外に出すほどの状況が無かった、せいぜい日本は「帝国」に基地を提供し、自衛隊にしても「帝国」の下で極東を守りを固めさえすれば米国も満足していたという側面"も"あります。

戦後日本を戦争と無縁な非武装平和国家と位置づけることは、戦後国際社会のリアリズムを無視した「平和ボケ」なのではないでしょうか。戦後日本は「パクス・アメリカーナ」の下で経済成長を遂げ、「おいしい生活」を楽しんでいたことを忘却すべきでは無いと思います。

(*注)朝鮮戦争の際に海上保安庁の機雷掃海隊が派遣されたことがあります。
http://www.chugoku-np.co.jp/abom/anpo/t000620.html
また、米国は吉田茂内閣に朝鮮半島への警察予備隊の派兵を求めていた事実もあります。

私は現代日本のアナロジーとしてカルタゴを引き合いに出すのは少し違うのでは無いかと思うのです。むしろ、今の日本のエスタブリッシュメントは自らの「ローマ市民」化を志向しているのでは無いでしょうか。

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まっぴょんさん、まことさんへ 投稿者:パルタ 投稿日:10月 3日(火)22時20分55秒

ただ、同じ堺屋太一が描いたジンギスカン時代のモンゴルを見ても、私がそれを見た後の解釈・感想と堺屋本人が言いたいことや描いた意図は、ひょっとしたらかなりずれているかも知れませんね。

まことさん>「だからこそ、日本はカルタゴのようになってはならない。日本の国力・軍事力を一層強くして、日米同盟関係を対等なパートナーシップに変えよう!」といった類の「議論」が右派論壇では結構盛んですよね。

それに対して、こういう出来事があったらしいのです。事実ならひどい話ですし、政府が抗議する必要はあるでしょう。↓

>沖縄の大学構内へのヘリ墜落である。日本人の死者こそ出なくて幸いだったが、被害範囲は、かなりのものであるようだ。
> 人口密集地に隣接して基地があるのでは当然人身事故も起こる。
 それが問題である以上に、一番注目しなければいけないのは、事故そのものより、直後の米軍の態度である。
>民間地域に落ちて被害を与えておきながら、武力で威嚇して警察の現場検証は拒否するわ、当初は、お詫びの一言もコメントにないわと、要するに、まるっきり占領軍の態度なのである。

私は特にここ↓を協調したいです。以下の部分で私が言いたいことは二つあります。
一つはやはり時代背景が異なるとはいえ、今のアメリカにはローマを彷彿させる横暴さがあります。自分達はいくら大量破壊兵器も核兵器も持っても良いが、お前は一発の核・大量破壊兵器も持ってはならないという論理です。以下の部分はイラク戦争の状況そのものに思うのです。また、アメリカはヒズボラの武装解除を求めていますが、イスラエルの武装解除はパレスチナ難民に何も保障していません。ローマとカルタゴの関係は、IAEAの制度における核保有国と非核国の関係そのものに思えます。↓

>但し、軍事的には非武装同盟、一切の戦争放棄を条約で余儀なくされ、そのかわりローマ軍が、彼らの通商活動を保護した。
>カルタゴは使節や莫大な賄賂をローマ議会に送って、ローマ軍の出動を懇願したが、彼らは知らぬ存ぜぬで、カルタゴを守るつもりはないことをあからさまに見せ付け始める。
>やがて諸都市が略奪され、属領地の市民が殺され始めるにいたって、カルタゴはやっと立ち上がる。
>もともとローマと違って徴兵の伝統もなく、武器も数十年ぶりに初めて作るようなものだったらしい。
>しかし編成された小さな軍団は、侵略者の口実となる。
>ローマはひそかに遠征用の大軍団を整備し、これを待っていたかのように同盟条約の非武装違反を口実に、カルタゴに宣戦布告するのである。これは第三次ポエニ戦争と呼べるような、対等なものではなかった。
>青くなったカルタゴは、上納金や賄賂や使節と、手を尽したようであるが、もともとローマが仕組んだことである。使節団は殺されるは、隊商や商売の艦隊は略奪されるわで、ついに覚悟を決め、本格的な軍団と艦隊の編成に取り掛かる。
>急造され、かきあつめられた艦隊は大いに暴れ、侵攻してくるローマ軍を随所で撃破したようであるが、平和な期間の間に精強だった旧海軍伝統の多くが失われており、冒険家ハンノもヒミルコ提督も過去の人だった。多勢に無勢の状況だったようである。初めて市民で編成された陸海軍はやがて相次いで玉砕。
>都市は降伏の意思を示したが、ローマ軍には単なる略奪ではなく皆殺しの命令が出ていた。市街戦の後、たった一人の人間も、一頭の家畜も生き残ることはなかった。それどころか建物の基礎の石材すら破壊され尽したのである。

そして、もう一点は日本の今頃の季節外れの軍拡はもはや上記のカルタゴの再武装と同じではないかと思うのです。多分今更大慌てで軍拡を進めても、何の役に立たないでしょう。上記の事実を見て、日本の国力・軍事力を強化しようという結論が出る人もいるでしょうが、それこそがあの時カルタゴが出した結論のように思うのです。ただでもトマホーク基地があり、核原潜が非通知で何回来ているか分からない日本が核武装すれば、本当に北朝鮮は茶番や八百長レースではなく、本当に爆発するかも知れない。
私は岡崎久彦がAと言ったら、その限りでは賛同することはあり得るでしょう。しかし、そのAというのは、「日本はアジアの国と共存共栄しなければならない」とか「戦前アジアの国の人々は欧米植民地支配からの解放を願っていた」というような右翼でも左翼でも誰でも賛成できることかも知れません。しかし、その先にあるものは何であるのかというと、岡崎氏がAと言った意図は、Bを得るためのものかも知れません。しかし、私はその時Bでは困り、Cを望むかも知れません。独立そのものにはスターリニストもイスラム復古主義者もブルジョアジーも自由主義者もバザール商人も小作人も社会主義者もキリスト教徒も賛成できるでしょうが、その独立の先に求めるものが違う訳です。
私のカルタゴの見方は大体上記のようなものです。カルタゴの過ちの一つはローマばかりに目がいったのも間違いの一つだったのでしょう。カルタゴの富にはローマ以上に過酷な奴隷への搾取、ソーシャルダンピングがあった可能性もあると思います。「低賃金で安い製品を輸出して儲けりゃいい」のではなく、他国の産業と共存できる貿易のあり方も模索していく必要があると思います。日本が再軍備するというのは、終わりのはじまりだとしか思えない。ただ、人によって解釈の仕方は百様に違うと思います。たとえば、

>たまたま、カルタゴという怨念のある金もち商人が、連合軍の金庫番と将軍役をやっていただけなのである。軍団はアフリカ人の諸民族、特にヌミデイアの騎兵、スペイン人の騎兵、バレアス諸島人の投石兵、ガリア人、イタリキ(イタリア)人などの混成だった。(ローマ人とイタリア人は違うのである)
> 彼はたった一つの軍団で勝ち進み、ほとんどローマ市包囲まで持っていくのである。
>しかし、ガリア人やイタリキ人支援部族による補給が期待できないローマ領土深く侵攻してから、様相は変わってくる。あれほどの大戦果を上げたのに、カルタゴ本土からの補給もほとんどなかったのである。カルタゴの伝統的な軍民蔑視と雇兵中心の軍隊の悲しさが敗北の原因となったようである。今や英雄となったハンニバアルを妬む、本国での政治闘争によるものも一因だったらしい。

これなど、今のイラク戦争を戦う傭兵中心の米軍を「今や米軍はローマ軍からカルタゴ軍に変わったのだ」と解釈する人もいます。

また、↓などはかつての日米関係を彷彿とさせますが、今ではアメリカと中国、あるいはアメリカとBRICSの関係になってきているように思うのです。

>ところがじきに、カルタゴの通商活動は、世界中の随所でローマの鷹揚かつ横柄な貴族商売を食いつぶし始める。
>ローマ人も謹厳、実直が特徴なのだが、ド陰険かつ浪費癖なところがあり、ひたすらペコペコと頭が低くて、チマチマと計算高くて貯金好きなカルタゴ人の、巧妙な商売の敵ではなかったのだ。
> 特に野放図なオレンジの輸出問題で、カルタゴはローマを怒らせてしまう。
>ローマ貴族の奴隷農園は次々と閉鎖に負いこまれ、見返りにローマ軍隊の駐屯経費を負担させるくらいでは、どうにもおいつかなくなったようだ。
> 再び宗主国として台頭してきたカルタゴの経済支配に憤った周辺住民により、国境地帯が荒らされ始める。ヌミデイアの領主の思惑もあったようである。
>やがて諸都市が略奪され、属領地の市民が殺され始めるにいたって、カルタゴはやっと立ち上がる。
>しかし編成された小さな軍団は、侵略者の口実となる。
>ローマはひそかに遠征用の大軍団を整備し、これを待っていたかのように同盟条約の非武装違反を口実に、カルタゴに宣戦布告するのである。

ここには現在のチェチェン、ボスニア、コソボ、アフガン、クルド、アチェー、東チモール、パプアなどの代理戦争や宗教民族紛争を彷彿させる不気味さがあると思います。解釈にもよるのでしょうけれど。

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Re:カルタゴ 投稿者:まっぴょん 投稿日:10月 3日(火)16時21分4秒

現代の国家間関係を過去の歴史に当てはめて論ずるのは堺屋太一が得意でしたね。かつて堺屋さんは米ソの比較のためにローマとカルタゴの戦争やベニス(&ヨーロッパ連合軍)対オスマントルコの戦争、さらにはギリシャ圏内のアテネ対スパルタなどにも当てはめていたように思います。ベニスとトルコは「海洋国家対陸軍国家」である事が米ソの比較に使われる材料になってましたね。

だけどね。アナロジーなんて自分の思惑に合わせていくらでも都合良く当てはめられるわけで、すでに「結果が出ている」過去の歴史を持ち出してきて、その結果を「現代の国家間の関係」にも適用するなんて、ほとんど根拠をもたないと思いますよ。ローマはイタリアの小さな都市国家から出発して何百回もの戦争を経て強大な地中海国家を造りあげた。そのためには周辺諸国家をことごとく侵略し征服していったわけです。

アメリカも領土こそ併合はしないけど、政治・軍事的には世界を制覇しようとしている。しかし、「現代のローマ」は、古代ローマと比較して遙かに強大な軍事力を持っているにもかかわらず、小さなイラクひとつ、支配するに至ってはいません。イラクに対しては「戦争に勝った」のに征服できない。それどころか、上院での調査報告にあるように、むしろ「イラクを攻めた」ためにかえってテロの不安が増大してしまった、というような状態にあります。過去の「国家対国家」の歴史は現代では通用しないのです。

現代では世界観、国家観は当時とまるで違っています。とりわけ違うのは「人権思想」の発達により、「国民」を「国家の所有物」」にはできなくなった事でしょう。例えばアメリカ人だからといって「イラクは敵だ」とは単純には考えない。我々日本人もです。中国や北朝鮮を単純に「敵国」に想定し、「軍備」を云々するような時代錯誤な精神からは、本当の世界は見えて来ない。

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Re:カルタゴ・日本・イラク・レバノン 投稿者:まこと 投稿日:10月 2日(月)06時52分39秒

「だからこそ、日本はカルタゴのようになってはならない。日本の国力・軍事力を一層強くして、日米同盟関係を対等なパートナーシップに変えよう!」といった類の「議論」が右派論壇では結構盛んですよね。例えば元タイ大使の岡崎久彦氏とか・・・。

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カルタゴ・日本・イラク・レバノン 投稿者:パルタ 投稿日:10月 1日(日)18時50分47秒

アメリカと日本・イラクの関係やイスラエルとヒズボラの関係には、色々な意味でかつてのローマとカルタゴの関係を彷彿させるものがあります。
参考サイト↓

嫌な事件とカルタゴの最後楽天ブログ(日記・ブログ)
ちくでん村へようこそhttp://plaza.rakuten.co.jp/tikudenmura2/7000
 オリンピックでは日本選手が活躍している。
 その陰に隠れて、日本が未だ実質上の占領下にあることを思い起こさせる嫌な事件も起きた。
 沖縄の大学構内へのヘリ墜落である。日本人の死者こそ出なくて幸いだったが、被害範囲は、かなりのものであるようだ。
  人口密集地に隣接して基地があるのでは当然人身事故も起こる。
 それが問題である以上に、一番注目しなければいけないのは、事故そのものより、直後の米軍の態度である。
 民間地域に落ちて被害を与えておきながら、武力で威嚇して警察の現場検証は拒否するわ、当初は、お詫びの一言もコメントにないわと、要するに、まるっきり占領軍の態度なのである。これは地位協定や条約がどうのこうのという問題ではない。米軍幹部や司令官たちの、常日頃からの考え方の問題なのである。追随して報道管制を敷くメデイアの方にも問題がある。もっと大騒ぎをすべき事件なのである。
中略
  現在の日米の状況は、本当に過去のカルタゴとローマの関係に酷似している。
 この歴史は、決して繰り返してはならない。我々自身が、その場は裏切りと逃亡により生き永らえたもの達の末裔であったとしてもである。
 その遠いカルタゴの最後を思い出してみよう。

  カルタゴの最後
中略
 南フランス経由でアルプス越えをし、ゾウ部隊(実態はわずか数十頭らしいが)を率いてローマ本土になだれ込んだ噺は有名なので、誰でも知っているはずである。
 これは軍事国家ローマと、ローマが支配しようと画策してきた地中海の諸民族連合軍との、最後の大戦争だった。たまたま、カルタゴという怨念のある金もち商人が、連合軍の金庫番と将軍役をやっていただけなのである。軍団はアフリカ人の諸民族、特にヌミデイアの騎兵、スペイン人の騎兵、バレアス諸島人の投石兵、ガリア人、イタリキ(イタリア)人などの混成だった。(ローマ人とイタリア人は違うのである)
  彼はたった一つの軍団で勝ち進み、ほとんどローマ市包囲まで持っていくのである。
 しかし、ガリア人やイタリキ人支援部族による補給が期待できないローマ領土深く侵攻してから、様相は変わってくる。あれほどの大戦果を上げたのに、カルタゴ本土からの補給もほとんどなかったのである。カルタゴの伝統的な軍民蔑視と雇兵中心の軍隊の悲しさが敗北の原因となったようである。今や英雄となったハンニバアルを妬む、本国での政治闘争によるものも一因だったらしい。
 緒戦の敗北に率直に反省し、挙国一致、総動員で、少年兵までを軍事行動にすべてをつぎ込んだローマに、土壇場で逆転されたのである。
   占領されたカルタゴ市は、ローマの略奪に会って焦土と化しただろうが、ローマ側に寝返ってローマを勝利に導いた周辺諸国の利権や、カルタゴと同族のポエニ人すべてを敵に回さないための深慮、あるいはアフリカに橋頭堡を築きたいローマの思惑などもあって、わずかの期間で立ち直る。カルタゴは不死鳥のように蘇り、再びローマに迫るほどの経済大国として復活するのである。
 但し、軍事的には非武装同盟、一切の戦争放棄を条約で余儀なくされ、そのかわりローマ軍が、彼らの通商活動を保護した。
  立ち直りが早かった最大の原因は、やはり、人的物質的な軍事的経費が一切不要というところにあったようである。
 ところがじきに、カルタゴの通商活動は、世界中の随所でローマの鷹揚かつ横柄な貴族商売を食いつぶし始める。
 ローマ人も謹厳、実直が特徴なのだが、ド陰険かつ浪費癖なところがあり、ひたすらペコペコと頭が低くて、チマチマと計算高くて貯金好きなカルタゴ人の、巧妙な商売の敵ではなかったのだ。
  特に野放図なオレンジの輸出問題で、カルタゴはローマを怒らせてしまう。
 ローマ貴族の奴隷農園は次々と閉鎖に負いこまれ、見返りにローマ軍隊の駐屯経費を負担させるくらいでは、どうにもおいつかなくなったようだ。
 ローマ議会はカトーという人物を中心に危機感をつのらせ、ある策略が密かに実行に移される。それをオレンジノートと呼んだかどうかは知らないが。それはカルタゴの背後のアフリカ諸国の民衆を締め上げる、というものだった。
 同時に、特にヌミデイアを中心としたそれらの国の領主へは、ローマ軍は紛争に介入しないという密約のサインも送られたようである。つまり駐屯軍の一部撤退だ。
  再び宗主国として台頭してきたカルタゴの経済支配に憤った周辺住民により、国境地帯が荒らされ始める。ヌミデイアの領主の思惑もあったようである。
 カルタゴは使節や莫大な賄賂をローマ議会に送って、ローマ軍の出動を懇願したが、彼らは知らぬ存ぜぬで、カルタゴを守るつもりはないことをあからさまに見せ付け始める。
 やがて諸都市が略奪され、属領地の市民が殺され始めるにいたって、カルタゴはやっと立ち上がる。
  もともとローマと違って徴兵の伝統もなく、武器も数十年ぶりに初めて作るようなものだったらしい。
 しかし編成された小さな軍団は、侵略者の口実となる。
 ローマはひそかに遠征用の大軍団を整備し、これを待っていたかのように同盟条約の非武装違反を口実に、カルタゴに宣戦布告するのである。これは第三次ポエニ戦争と呼べるような、対等なものではなかった。
 青くなったカルタゴは、上納金や賄賂や使節と、手を尽したようであるが、もともとローマが仕組んだことである。使節団は殺されるは、隊商や商売の艦隊は略奪されるわで、ついに覚悟を決め、本格的な軍団と艦隊の編成に取り掛かる。
  急造され、かきあつめられた艦隊は大いに暴れ、侵攻してくるローマ軍を随所で撃破したようであるが、平和な期間の間に精強だった旧海軍伝統の多くが失われており、冒険家ハンノもヒミルコ提督も過去の人だった。多勢に無勢の状況だったようである。初めて市民で編成された陸海軍はやがて相次いで玉砕。
 都市は降伏の意思を示したが、ローマ軍には単なる略奪ではなく皆殺しの命令が出ていた。市街戦の後、たった一人の人間も、一頭の家畜も生き残ることはなかった。それどころか建物の基礎の石材すら破壊され尽したのである。現在残っている遺跡は、ずっと後のローマ帝国時代のものだ。
  以下略

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