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新しい道 世界社会主義共和国連邦
赤色土竜新聞創刊号 2000.1.1

●社会主義的解決だけが人類と地球を救う

 地域、地方、国家、そして世界、様々な領域のなかで資本主義が採用する論理はただひとつ「自己の利益」だけです。この、あからさまで利己的な論理は資本主義発達の初期段階においては経済発展に大きく貢献してきました。しかし、それが国境の壁を越えた時、帝国主義同士の戦争の時代へと突入していきました。多くの人民が「国家のため」という名目で何の恨みもない他国の人民と殺し合う時代になったのです。さらに時代はくだり、企業は国籍そのものを捨て始めました。グローバリゼーションの時代のはじまりです。もはやこの時代にあっては利己的な企業の論理は、ただこの世界を混乱させ、次々と悲惨で不幸な事態を招くばかりであり、社会の発展にとってはむしろ障害となっているのは明らかです。バブル的金融資本主義は人類全体をますます悲惨な末路に追い込んでゆく事でしょう。 この経済的無秩序状態は資本家階級には解決できません。自己の企業・グループの利益のみからしか展望できない資本家達には経済全体に秩序を与える能力はないのです。これを解決できるのは全産業にわたって実際にかかわり、利害を共有することのできる労働者階級だけです。全産業の労働者が階級的に団結して経済活動全般を展望し、この不自然で投機的な「マネーゲーム」を廃止し、必要な産業に必要なだけの資本の投資をすることで膨大な金融資本のムダを除去するべきです。また、各地域の産業・工場から中央へ代表を派遣し、そこで経済計画を立てることで、もっとも効率の良い全国的生産活動を計画的に実施してゆくべきです。さらにそれらの生産計画はアジア各国からの産業の代表とともに対等な立場で生産計画を討議し、アジア規模での合同計画経済として遂行してゆくことで、現在よりもはるかに環境破壊が少なく、安全で公平な社会を築くことができるでしょう。社会主義的国際合同計画経済だけが地球と人類を救うことができるのです。

●階級史観はもう時代遅れなのだろうか

 「しかし社会主義はもう時代遅れなのではないだろうか」…そんな声が聞こえます。ソ連・東欧の社会主義政権がことごとく崩壊してしまった今日、社会主義についての展望がおおきく後退し、多くの人々が社会主義に失望しました。この新たな国際環境は日本国内の政治状況にも大きな影響をあたえています。戦闘的・階級的な労働者の多くが希望を失い、労働運動は沈静化し右からの再編が進んでいます。こうした現状は政界にも反映し、社会党は階級政党としての信念を捨て、名も「社民党」に変え、民主党の提灯もちとしてリベラル保守の道を歩もうとしています。もはやわずかな少数政党以外、日本のどこにも革新勢力はみあたりません。かれらが異口同音に語るのは「もはや階級史観は古い、社会主義は歴史的に過去のもの」という言葉です。 本当にそうなのでしょうか?それではこれまで資本主義社会によって生み出され、またそれを発展させてきた2つの階級、資本家階級と労働者階級とが消滅してしまったというのでしょうか?それとも2つの階級が互いに和解したのでしょうか?そんな話は聞いたこともありません。首切り・失業は増大し労働者の生活不安はいっそうつのるばかりです。どこの企業でも労働者の犠牲の上に経済たてなおしを図ろうとしています。階級は和解したのでも消滅したのでもありません。ただ労働者階級の側が大きく敗北し、資本側の攻勢に屈したのです。

●社会主義は資本主義に負けたのだろうか

 また、次のような言葉も耳にします……「ソ連・東欧の崩壊は、競争原理による資本主義経済のほうが平等原理にもとづく社会主義経済より優れている事を証明したのである」と。それも事実とはいえません。なぜならば社会主義経済は資本主義経済の発展のうえに築かれる経済であり、いまだ世界のどこにも「社会主義経済」を建設した地域は存在しないからです。ただ部分的に計画経済と市場経済とを組み合わせながら社会主義へむかう「過渡期社会」の建設にチャレンジしている労働者国家が存在していたにすぎません。
 しかもそれらの国々の経済活動は、外部からは巨大な資本力を背景にしたアメリカを筆頭に、帝国主義諸国の敵意に満ちた意図的な経済妨害活動のなかにあり、内部ではスターリン主義官僚支配下の非能率的で非民主的な政治・経済体制のもとでおこなわれて来たため生産効率の停滞、国民の生産意欲の低下をきたし、結果として国家経済の破綻、国民生活水準の低下をきたしてしまったのです。スターリン提唱の一国社会主義建設、共産党一党独裁と民主主義の欠如、政治弾圧、急進的で極端な工業化計画や集団農場政策など、とても社会主義経済の優劣を評価できるようなものではありません。

●資本主義の改良では何も解決できない

 日本共産党は現在、日本に議席をもつ政党では唯一の共産主義政党ですが、その政府案は「よりましな政府」という表現にもあるように資本主義体制そのものには手をつけずにただ改良するだけで問題を解決しようというものです。しかし、資本主義経済は国家ごとに独立して成立しているわけではありません。現代ではそれは国境を超えた国際金融システムによって支配されているのです。アメリカの金融資本が膨大なファンド・マネーを使ってタイ・バーツ相場に介入した結果、タイの国家経済が破綻したのは記憶に新しいことです。もしも日本共産党首班による内閣が実現した場合、帝国主義諸国の金融資本は、直ちに一斉に日本経済に介入してくるでしょう。共産党内閣をつぶすために膨大な金融資本が円売りに投入され、日本経済を根底から叩きのめそうとするでしょう。資本主義を改良的に運用していては決してこれに対抗できません。金融も含めた社会総資本の再編成と労働者階級の団結にもとづいて新しい経済プランを立案し実行していくべきです。社会主義をめざす過渡的経済プランの実施だけが、金融資本の攻勢に立ち向かい、資本主義の危機を克服できるのです。

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でも結集してもなんにもないけど