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第5章 演説

演説の効果的な使い分け
 演説には場所・目的などによって数種類あるが、大きく分けて街頭などで行なう辻演説=「外アジ」と学生大会などで行なう「議場アジ」との二種類になる。

外アジ

 街頭・校門・工場入口などで通りすがりの大衆に向けて行なう演説であるから、以下の点に着目してアジるようにしよう。
●声量の大きいマイクで他者を圧倒する。
●論旨は極めて簡潔に、結論のみを衝撃的に。
●行動提起・演説主体名をはっきりと多く言う。
●高い位置から良く見えるように演説する。

議場アジ

●自ら感動して話す。
 ビラなどの印刷物と違って、肉声は、演説者の感情をも同時に伝える。聴衆に感動を与えようとするなら、自ら感動して語らねばならない。聴衆を真に感動させるのは小手先の「技術」でなく、真実のもつ「重み」なのだ。
●論理展開の仕方――結論を先に
 序論――本論――結論の順に論述するのが一般的な方法であるが、これに対し結論を最初に述べ、声明を後に持ってくるほうが演説が引きつまってわかりやすい。
●文章の整理
 第一に、第二に、という言葉を入れて論点を明確にする。論敵との相違点・一致できる点をはっきりさせる。
●大衆の言葉で話す
 水夫に向かって話すのか。植字工に向かって話すのか。聴衆の言葉で話すようにしよう。したがって「日帝ブルジョアジーの……」といった演説の仕方は場所をわきまえて。
 また、大衆が感じている「声」を節にしてすすめると話は圧倒的に大衆自身のものとして受けとめられる。例えば「今こういう意見があるが確かにそうだ」「しかし、も一歩考えてみれば……」という具合。レーニンはあらかじめ予想される声に対し答える形で理論を展開したという。
●具体例をあげる
「19××年×月×日」とか「××人死す」と数字を入れる。又、新聞や本など実物を持ってくると真実味が増す。その為に新聞くらいは毎日読むこと。
若干の技術的諸注意

演説前に

●多人数で演説をする時
 大勢が次々と、もしくは各所で一斉に演説する時には予め演説のポイントをいくつか決めておき、強力な多数意見の所在を知らしめることが大衆を引きつけるテコとなる。
●発声に注意
 首を極端に前に突出してしゃべる人がいるが、喉を痛めるし、声がよくとおらない。顔を真っ直ぐ前に、ノドとアゴとの線が90度の角度を成すように。芝居のコーラスの時の発声に同じ。声はノドからでなく腹から出す。
●マイクの指向性に気をつけよう!
 マイクの角度によって音の出方が違う。これを指向性という。真っ直ぐに持って正面からマイクに向かうようにする。また、マイクをかじらんばかりに口に近づけて話す人がいるがこれではスピーカーから出る声がボケて聞きとりにくい。口から少し離してしゃべるか。マイクにタオルを巻いて演説するようにしよう。
●深酒・タバコ
 アジテーターの喉を痛める二大悪はこれだ。又、演壇の水さしからいきなり水を飲むと声の調子がおかしくなるのでやめよう。

話すうえでの注意

●演説の命は「間」
 例えば音楽などでも休符は音符の一種であり、休符があることによって次の音が生きてくるものである。同じように演説における間のとり方が聴衆の緊張の度合いを決定する。
●演説は体全体でするもの
 言葉が魂から生み出されたものならば、それが顔つきや手ぶりに表れても当りまえ。怒りのあまりに机をたたく、喜びに手を振り上げる等……。無理に感情を押し殺すべきではない。目は公平に聴衆を見わたすように!

「青年戦線」第7号表紙

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